抜毛症歴13年の管理人です。
現在は普通の会社員として過ごしていますが、過度なストレスや情緒不安定に陥ると症状が悪化し、半ひきこもりな状態になる時もあります。
この記事では、ご家族(特にお子さん)に抜毛症と戦っている方がいる親御さまに対して、少しでも自分の持っている情報が役に立てば良いなぁ…と思い、書くことを決めました。
私は医療関係者ではないので、こうすれば治る!などの治療に関するお話はできませんが、当事者の目線から、お母さんに「こう言って欲しかった」「こう接して欲しかった」というお話を中心にお伝えしたいと思います。
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目次
簡単なプロフィール
何かの参考になれば…と思い、プロフィールを書きますがふわっとスルーで大丈夫です。
発症時期 | 高校2~3年生(記憶が曖昧) |
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期間 | 13年目に突入、現在進行形 |
家族構成 | 父・母・姉・弟 |
家族の特徴 | 父…真面目で亭主関白、自分の思うようにいかないことがあると人や物に当たり散らすことも 母…専業主婦、優しいが人付き合いは苦手。メンタルは弱め、高血圧 姉…潔癖、父親とそりが合わず、私(管理人)とも不仲 弟…病弱でてんかんの診断を受けている。強烈な姉二人のせいで控えめな性格に |
過去のトラウマ | 幼少期の事を思い出すと、いつも何か(父親の感情の爆発)に脅えていたような… 怒られないように、物を投げられないように必死に良い子を演じていた 何もしない姉と何もできない弟に挟まれて、人の顔色を伺って行動することが定着 潔癖な姉と同じ部屋で暮らしていた為、双方ストレスがひどかった 高校時代に大喧嘩をしたタイミングで姉が家を出て行った |
親との関係 | 大人になってからは可もなく不可もなく 親も交友範囲が狭い為か、子どもに対してはいまだに過干渉気味 |
こうして表にしてみると、抜毛症発症のきっかけになっていそうなヒントがごろごろ転がっています。
思い出せる範囲でネガティブに書いてしまったように見えますが、自分の家庭がよそのおうちと比較してどうこうと考えたことはありません。
父親
嫁と子ども3人を養うために一生懸命働いていました。時には転勤で通勤が片道2時間になったり、東北へ移動になったり。気に食わない上司がいると言っても毎日休まずお金を稼いできてくれました。社会人になった今だからこそ、ストレスの捌け口が家族になってしまっていたことにも、少しずつ理解が出来るようになっています。
母親
奥ゆかしい人で普段感情を表には出しません。メンタル弱めと書いてしまいましたが、几帳面な姉と奔放な私と病弱な弟を育てるのは大変だったと思います。趣味といった趣味もなく、家庭からの逃げ場がなかったのは非常に辛かったのではないかと思えるようになりました。
なるべくして生まれてきたのか?
人間は大人になっても未熟で、100%正しい判断や振る舞いが出来る人は皆無だと思っています。時には感情的になって相手を責めてしまうこともありますが、私は家族のことを尊敬していますし、感謝しています。
では、抜毛症になった子どもは「抜毛症になるべくして生まれてきた」のでしょうか?
答えは「いいえ」です。
生まれて間もなくして髪の毛を抜いてしまうような症例は聞いたことがありません。
衝動を抑制する為の脳内物質が不足していたり、元々精神疾患を持っていて抜毛症も併発してしまったケースを考えると、「自然発生的」に抜毛症になってしまった。という表現の否定はできません。
ですが、ほとんどの抜毛症患者は、学童期~青年期にかけての外的要因(精神的ストレス)がきっかけとなり、発症するケースが多いことも事実です。
これは私だけに限られないと思いますが、抜毛症で悩んでいる人間は、「だれのせいでこうなった」「何が原因でこうなった」という発想がほぼありません。
大体が、「自分が弱いからこうなった」「家族にも迷惑をかけてしまっている」と自分に矢印を向けて攻めてしまう傾向があります。
未然に防ぐ方法があるとすれば
前半部分では家庭問題をピックアップして説明しましたが、「外的要因」(精神的ストレス)は日常生活の至ることろに潜んでいます。
学校だったり塾だったり友達だったり…年齢が上がってくると受験や恋愛でのストレスも抜毛症には非常に危険な問題になります。
自分の体や心を守るのが難しい未成年には特に、保護者の適切な見守りが必要です。
抜毛症の親の心得「お・か・あ・さ・ん」
既に抜毛症で悩んでいるお子さんをお持ちの親御さまに、
抜毛症のお子さんにはこうして接して欲しい標語を作ってみました。お子さんと向き合う中で悩んだ時、迷った時に少しでも思いだしていただけたら嬉しいです。
「お・か・あ・さ・ん」の、お。怒らない!!
髪の毛を抜いてしまうお子さんを怒らないであげてください。悪いことだ、と理解しながらどうしてもやめられないのが抜毛症です。親に怒られてしまった悲しみと、辞められないことへのストレスで更にお子さんを追い詰める形になってしまいます。
「何でやめられないの?」
「何でそんなことするの?」
この問いに対して本人は答えを持っていません。
受けてきてしまったストレスが消化できずに心の中に残り、衝動を抑制できなくなってしまったことを責めても根本的な解決にはなりません。
「お・か・あ・さ・ん」の、か。考える!!
お子さんと一緒に、同じ目線に立って考えてあげてください。お医者さんのようなカウンセリングはできなくても、お父さん・お母さんが親身になって寄り添い、なんで抜いてしまうのか?何に不安やストレスを感じているのか?を一緒に考えてあげることで、お医者さんにも引き出せない原因が見えてくるかもしれません。
私は抜毛症になったのが高校生だったこともあり、ある程度自立してしまっていた為、親への相談をし損ねたことを後悔しています。
この年齢になっても1番の理解者であり、親という存在は大きいものだと感じています。
「お・か・あ・さ・ん」の、あ。明るく!!
抜毛症で悩んでいる子は、負い目から人の顔色を伺いがちになります。もしくは、抜毛症になる前から置かれた環境によって既にそういった性格の子が多いかもしれません。
自分の両親が怒ったり悲しんでいたりすると、その感情はそのままお子さんに届いてしまいます。お子さんが抜毛症であると分かったあと、一緒に克服に向けて頑張る中で、お父さん・お母さんが明るく振舞うことがお子さんの精神安定に繋がることは間違いないと思います。
この明るく、というのは、「無理して明るく」ではなく、深刻に考えすぎないでほしいという意味も込めています。私は親の立場になったことがないので簡単なことは言えませんが、お子さんが不安な状況だからこそ、お父さん・お母さんには普段通りの振る舞いでお子さんを安心させてあげてほしいと思います。
「お・か・あ・さ・ん」の、さ。支える!!
お子さんが抜毛症だと分かった時。もしかしたら、お子さんは学校でいじめにあっているかもしれません。いじめとまでは行かなくても学校に通うことが怖くなっていたり、友人関係に悩みを抱えているかもしれません。
症状は人それぞれですし、感じている不安の度合いも問題も様々です。
小学生などの児童期と比較して、中学生・高校生の思春期になってくると親が介入できる悩みと本人だけのナイーブな悩みが生まれてきます。
時には一歩引いて様子を伺い、干渉しすぎないことも大事になってきます。小さなSOSを見逃さないようにお子さんの成長に合わせて見守り、支えていって頂きたいと思います。
「お・か・あ・さ・ん」の、ん。信じる!!
究極論ですが、抜毛症を克服するのはお子さん本人です。もちろん、お父さん・お母さんや周囲の人たちのフォローがあってですが。私の周りには抜毛症を治す為に30年かかった人もいれば、2~3年で克服した人もいます。場合には長い道のりになってしまうかもしれませんが、お子さん本人を信じること。
「もしかしたら治らないんじゃないか…」という不安はそれぞれが感じています。
信じる気持ちがお子さんに伝わり活力となるように、見守る立場にいる親御さまはぜひ、お子さん本人の意思で克服できると心をから信じてあげてください。
まとめ
ふとしたことがきっかけで発症してしまった抜毛症は、めぐり合わせが悪かったとしか言いようがありません。現状を悲観せずに、お子さんに向き合い心の声を聞き逃さないように温かく見守ってあげてほしいと思います。
また、抜毛症は精神科での診察・カウンセリングにより、お子さんの症状をより正しく把握できる場合があります。通院はハードルが高く、ご家族やお子さんへの負担も懸念されますが、改善の兆しがない場合は、専門医の受診を検討されるのも抜毛症克服への近道になると思います。
各地域の精神科一覧はこちらから。
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